先日、夏目漱石が生まれたという場所に行ってみました。
「夏目坂」命名したのは漱石の父
大通りを曲がり、坂を登っていくと、「夏目坂」の表記がありました。
『父はまだその上に自宅の前から南へ行く時に是非共登らなければならない長い坂に、自分の姓の夏目という名をつけた。不幸にしてこれは喜久井町ほど有名にならずに、ただの坂として残っている。しかしこの間、或人が来て、地図でこの辺の名前を調べたら、夏目坂というのがあったと云って話したから、ことによると父の付けた名が今でも役に立っているのかも知れない。』
(「硝子戸の中」青空文庫より)
「ただの坂」とありますが、やはり「夏目坂」という名前が付いているだけで、とても特別な気がしてきます。
目印は、やよい軒
ただ、肝心の生誕地の碑がなかなか見つかりません。
漱石にちなんだ店名もちらほら見えるので、まちがいなくこのあたりだと思うのですが……。
坂を上がったり下がったしたあげく、ようやく見つけました!
どうやら通りすぎたあと、反対側を探していたようです。
大通りからすぐ、左手側、やよい軒の前にありあした。
「喜久井町」名前の由来は夏目家
夏目家はこのあたりの名主で、喜久井町という町名は、夏目家の家紋に由来しているそうです。
五男三女の末っ子として生まれた漱石は、生後まもなく里子に出されたり、その後も養子に出されたりと、苦悩も多かったようです。
だからこそ、生まれた土地に、強い思い入れがあったかもしれせんね。
晴れわたった空が、きれいでした。
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